「握手会で求婚」から5年――元AKB48・岩田華怜、ストーカー逮捕に時間要したワケを弁護士が解説

 元AKB48・岩田華怜につきまとい行為を繰り返したとして、警視庁は6月19日、ストーカー規制法違反容疑で、42歳の男を逮捕した。2012年頃から岩田のファンになったというこの男は、AKBファンの間では有名な人物で、13年、握手会の会場で当時中学生だった岩田にプロポーズをして、運営から“出禁”を食らったほか、その後も、ブログで岩田の家族を脅迫するような文章を書き連ね、岩田の仕事先などにつきまとうなどしたという。警視庁は、口頭や書面での警告を複数回行い、また昨年4月には、ストーカー規制法に基づく警告を発出したが、男は今年4月に岩田出演の舞台会場に押しかけるなどした容疑で、今回逮捕に至った。

岩田は公式Twitterにて19日、「お騒がせしています。そして今までご迷惑をおかけした全ての人に心からの謝罪申し上げます。一緒に闘ってくれたファンのみんな、苦しい思いをさせたね。それでも一緒にいてくれてありがとう」などとツイート。長年悩まされていたストーカー被害が「終わりになることを切に祈ります」と述べた。

そんな岩田には、ファンを中心に「本当によかった」「長い闘いだったね」「これで落ち着くといいですね」などと励ましのコメントが寄せられているが、一方で、「なぜこんなに逮捕まで時間がかかったのか?」「華怜ちゃんがどれだけ悩んできたと思ってるんだろう」などと、長期化したことに疑問や怒りの声も散見される。

岩田サイドが、どのタイミングで警視庁に相談をしたのか、詳細は明かされていないものの、最初に握手会でトラブルが発生してから、実に5年もの歳月がたっていると考えると、やはり「なぜ?」と感じてしまうのは当然ではないだろうか。今回、弁護士法人ALG&Associatesの山岸純弁護士に、ストーカー規制法について話を聞いた。

ストーカー規制法は、00年11月24日に施行された法律で、同法によって逮捕されるのは、「1.ストーカー行為をした場合(1年以下の懲役、または100万円以下の罰金)、2.ストーカー行為を行わないように禁止命令が出されたにもかかわらずストーカー行為をした場合(2年以下の懲役、または200万円以下の罰金)などが挙げられます」とのこと。今回、ストーカー規制法違反としか報道されていないため、どのような罪名で逮捕されたかは不明だが、「いずれにせよ、この法律で逮捕されるには相当の時間を要する」そうだ。

「理由はいくつかあります。法律は、『押しかける』『待ち伏せ』『面会の強要』『乱暴な言葉をかける』『性的な言葉をかける』などを、“つきまとい等”と定めるのですが、これらの行為を1回行っただけでは、“つきまとい等”と判断してくれません。これらが複数回行われて初めて“つきまとい等”と判断されます。しかし、この“つきまとい等”が1回でも行われれば、ただちに逮捕できるというわけではありません。法律は、さらにこの“つきまとい等”を繰り返し行うことを“ストーカー行為”と定めており、この“ストーカー行為”が行われた場合に、初めてストーカー行為法違反として逮捕することができるのです。だから時間がかかってしまいます」

一度や二度「待ち伏せ」が行われただけでも、当人は大きな恐怖を感じることだろうが、それだけでは逮捕にはほど遠いという現実があるようだ。

「また、こういう行為は、証拠として残りにくいという点があります。警察は、証拠がなければ動きませんので、押しかけてきた、待ち伏せされた、面会を求められた、脅迫文が届いた、といった証拠を一つひとつ集めないと、“繰り返し行われた”と判断してくれないわけです。“刑罰”を科す以上、慎重さが求められるのはわかりますが、警察がろくに仕事をしないで発生した桶川ストーカー殺人事件もあったことですし、なかなか難しいところです」

現状こうしたつきまとい行為に悩んでいる当人にとって、“逮捕までに時間がかかる”という現実は受け入れがたいものだろう。何かが起こってからでは遅いだけに、山岸氏は証拠集めに関して、次のようなアドバイスをする。

「“証拠”というと、監視カメラなどの映像や脅迫文そのものが挙げられますが、“つきまとい等”に対しては、そういうことがあったことを日記に記す、というのも立派な証拠となります。警察に証言する時には、時間もたっており、忘れてしまっていることもあるでしょう。その日にあったことを日記にまとめて、これが繰り返されていることを警察に伝えるということが大切です」

岩田にストーキング行為をしていた男は逮捕されたが、どのような刑が下るのだろうか。岩田との示談成立、不起訴という可能性もあるが、山岸氏は「被害者は一般人ではないので、なかなか示談は難しいでしょう」と見解を述べる。

「この場合、これまでの例からすれば、程度にもよりますが、6カ月程度の懲役刑が宣告されることと思います。同種前科がなければ執行猶予も3年ほどつくでしょう」

最後に、近年アイドルの刃傷沙汰を含むストーカー事件が起こっている件について、「本来、“遠くに輝いていて、近づきがたいアイドル”を、あえて“身近なアイドル”として売り出しているのであれば、近さと反比例するぐらい警護は厳重にすべきと思います」と、運営に対する意見を述べた山岸氏。二度とこのような事件が起こらないよう、アイドル業界全体の意識改革も必要となるのかもしれない。

引用元はこちらです。記事に関するご質問は引用元へお問い合わせください。https://news.merumo.ne.jp/article/genre/7565912